宗教をめぐる攻防

宗教をめぐる攻防①

   別れたい理由 別れない理由 攻防の要点と結果
①        妻は某宗教に入信、その教えは絶対、夫婦生活等に与える影響は重大、子供2人も卒業記念制作や運動会の応援合戦に不参加等の影響(夫が提訴) 聖書の原則に反する事柄を強要されたり要求された場合にそれができないだけ、夫婦関係・親子関係が破壊されていることなし、週3回の集会参加と週2回の伝道活動のみ 破綻の程度──1審棄却──控訴認容──夫は某宗教に嫌悪感を持ち、妻はそれに配慮せず、集会参加、布教活動を続け、母屋の離れで不自由な生活を続けており、回復しがたいまでに破綻。2人の子の親権は妻(名古屋高裁H10.3.11判時1725.144)
②        妻は某宗教に入信、1週間1時間の聖書の勉強・1か月に1度の集会から週3回の集会そして布教活動へ、自宅の仏壇に手を合わせず、後にアパートに1人居住(夫が提訴) 夜間の集会や伝道活動は不参加、家事や育児に支障がないよう配慮している、夫婦関係を修復したいとの気持ちは強い 破綻の程度──1審棄却──控訴認容──現に行っている布教活動から日常の家事子供の養育に相当の支障が出てくるのは必至、夫の妻に対する不信と憎悪の念強く、別居期間は既に8年、婚姻関係は完全に破綻している。2人の子の親権は夫(大阪高裁H2.12.14判時1384.55)
③        妻は某宗教に入信、夫が嫌悪しているのに集会出席、布教活動、夫の亡父の焼香拒否等(夫が提訴) 夫が帰るのをいつまでも待つ、夫の某宗教への無理解、アルコール依存症による精神状態の不安定、宗教活動は自粛しない 破綻の程度と責任──1審棄却──控訴認容──夫の宗教活動の嫌悪、妻の自粛なし、夫婦としての共同生活の回復の余地なし。3人の子の親権者は妻(東京高裁H2.4.25判時1351.61)

 

宗教をめぐる攻防②

   別れたい理由 別れない理由 攻防の要点と結果
④        妻が某宗教に入信、夜の集会出席、先発などの下仕事せず、別居4年(理容師の夫が提訴) 集会は月2回程度、別居は夫に家を追い出されたもの 同上──棄却──別居は夫が追い出したもの、集会も月1から3回程度、家事や仕事を顧みないとはいえず、夫婦生活の回復は可能(名古屋地裁豊橋支部S62.3.27判時1259.92)
⑤        婚姻後5年余、妻が某宗教に入信、集会は週3回、夫の意向を無視(夫が提訴) 宗教活動で家庭を犠牲にしていない、夫こそ暴力を振るったり、蒲団での就寝を許さなかったり 同上──認容──妻は、夫や家庭よりも宗教活動を第一義的に考え最優先させており、中止の意思は伺われない。2人の子の親権者は妻(大分地裁S62.1.29判時1242.92)
⑥        妻が某宗教に入信、宗教活動に打ち込む(夫が先に提訴) 夫は暴力を振るう性癖を有する異常性格の持ち主(妻が反訴) 同上──双方認容──有責性の有無を判断することなく離婚。しかし、端緒は夫の妻に対する人格無視の言動として慰謝料300万円認定。婚姻期間6年半で財産分与は640万円。3人の子の親権者は妻(浦和地裁S59.9.19判時

1140.117

⑦        妻の信仰(夫が先に提訴) 夫の信仰(妻も提訴) 同上──双方認容──夫の信仰の秘匿が破綻の端緒で慰謝料100万円(東京高裁S58.9.20判時1088.78)