配偶者の暴力に対する対策

配偶者の暴力に対する対策

DV(家庭内暴力)に対して

配偶者からの暴力(DV=ドメスティック・バイオレンス)は、個人の尊厳を害するだけでなく、大変危険な行為です。早めに警察や配偶者暴力相談支援センターに相談しましょう。 暴力をふるわれそうになったり、ふるわれた時は、まずその場から逃げ出し、自分や家族の安全を確保してください。警察や配偶者暴力相談支援センターで保護してもらうこともできます。

DV防止法

被害者の保護を、国・自治体・警察に義務づけ、都道府県に「配偶者暴力相談支援センター」を置くように定めた法律で、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が正式名称。保護対象は配偶者で、事実上の婚姻関係にある人も含みます。被害者が裁判所に申し立てれば、それに基づいて、裁判所は「保護命令」を出します。申し立てる時点では法律婚が事実婚をしている必要がありますが、保護命令が出た時点で離婚しているのは有効です。

DV防止法に基づく「保護命令」

① 被害者に対する6カ月間の「接近禁止命令」
② 被害者の住む家から2週間退去させる「退去命令」

この2種類があり、どちらかが出されます。命令に背いた場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

保護命令の限界

・対象となる配偶者からの暴力は、身体的な暴力のみ(精神的暴力は含まれない)
・すでに離婚している人と子どもは対象外(2004年5月に成立した改正DV防止法が施行されれば対象となる。ストーカー規制法に頼る方策はある)

保護命令の申し立て方法

申立書に次のことを書いて、居住地の管轄の地方裁判所に提出します。
1. 配偶者からの暴力を受けた状況
2. 配偶者からの暴力により、生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きい事情
3. 警察や配偶者暴力相談支援センターに相談した事実など
・相談等をした機関の名称
・相談等をした日時、場所
・相談等の内容
・相談等に対して執られた措置の内容
※このような相談等をしていない場合は、1.2.の事項について記載した宣誓供述書(公証人の前でその記載が真実であると宣誓したうえで署名・捺印をした証書のこと)を添付する必要があります。

「ストーカー規制法」について

家を出た後で、配偶者からストーカー行為(待ち伏せ、尾行、無言電話などの嫌がらせ)を受けた場合、警察に相談して「ストーカー規制法」を使うことができます。程度に応じて、警察が援助をしたり、加害者に警告を発したり、告訴したりします。
同居している人の間では適用されないため、別居中や離婚後に使うことができます。
罰則は懲役や罰金ですが、どんなに悪質でも1年足らずで刑期を終えるため、注意が必要です。

地方自治体が設けているDVの相談先

配偶者暴力相談支援センターは、都道府県によって数も名称もさまざまです。従来の婦人相談所が、その機能を負うケースが多く見られます。なかなか暴力が治まらないものの、離婚は望まないのであれば、配偶者の親元に駆け込むことも有効です。民間のシェルターもありますが、色々な問題が取り沙汰されているので、慎重に選ばなくてはなりません。

家庭内暴力の現実

女性 男性
大声でどなられる 29% 25%
嫌がっているのに性的な行為を要求される 14% 3%
何を言っても無視される 13% 19%
「誰のお陰で生活できるんだ」「甲斐性なし」と言われる 11% 9%
医師の治療は不要な程度の暴行を受ける 11% 3%
交友関係や電話を細かく監視される 7% 5%
見たくないポルノのビデオや雑誌を見せられる 5% 1%
命の危険を感じる 3% 1%
医師の治療が必要な程度の暴行を受ける 3% 1%

「アルコール依存症」や「DV加害者」のための更生プログラム

アルコール依存症やDVは、自力や配偶者の努力だけで直すことが困難です。
自分自身が望んでいるわけではないのにお酒や暴力で加害者となってしまう人たちが回復できるように、あちこちでプログラムが開催されています。

別居する場合の注意点

・住民票の移動
法律上は、住所を移転したら届け出なければならないことになっています。しかし、別居先を突き止められたくない場合は、必ずしも移さなくてもかまいません。ただし、子どもを転校させる場合は、住民票を移します。

・共有財産の持ち出し
別居の際に家財道具などの共有財産を持ち出しても、原則罰せられることはありません。窃盗罪が成立しても、刑が免除されるのです。
アルコール依存症

各都道府県の精神保健福祉センター

相談窓口があり、情報提供や援助を行っています。アルコール依存症の治療施設を持つセンターもあります。各地の保健所で「酒害相談」も行われています。

アルコールが嫌いになる薬

アルコール依存症者のために、精神科で薬を処方してくれる場合があります。その薬は、アルコールを代謝する過程で、ある酵素を阻害します。そのため、あらかじめ薬を服用しておくと、お酒を飲んでもアルコールが最終段階まで分解されず、代謝途中のアルデヒドの形で残留するために、気分が悪くなるのです。このため、お酒を飲むことが嫌いになる効果が期待できます。ただし、本人が承諾しないと飲ませることはできないし、気持ちが悪くなるという薬の効果を嫌う人もいますので、難しい面もあります。