離婚準備中にやるべき事②

破綻原因の証拠をあつめる

  1. 破綻原因と証拠
 破綻原因 原  因 証  拠 有責性の質と量
不貞 夫婦以外の異性と性的関係を持つこと 写真(ホテルやアパートに入っていく所や夫婦以外の異性と親しくしている場面など)・手紙・メール・調査事務所の報告書・目撃者の証明書等 100%

慰謝料に上積み

暴力 不当な有形力の行使 診断書・写真(受傷部分)・周囲の人の証明書・自分の書いた陳述書等 100%

慰謝料に上積み

酒乱 酒を飲んで暴力・暴言を働くこと 診断書・写真・周囲の人の証明書・自分の書いた陳述書等 100%

慰謝料に上積み

遺棄 生活費等を渡さず捨て去ること 周囲の人の証明書・自分の書いた陳述書等 100%

慰謝料に上積み

浪費 無駄遣い 借金関係資料・買物や飲食の請求書・自分の書いた陳述書等 0%から100%

慰謝料に関係

性格の不一致 人生観・価値観の隔絶 自分の書いた陳述書・第3者の陳述書等 場合による

場合による

性の不一致 通常の性生活のないこと 自分の書いた陳述書 0%から100%

慰謝料に関係

宗教活動 他方配偶者の承諾なくして排他的宗教活動を行うこと 宗教活動関係資料・自分の書いた陳述書等 0%から100%

慰謝料に関係

病気 強い精神病の場合のように意思や感情の交わりができない場合 診断書・自分の書いた陳述書等 無関係

無関係

  • 決定的破綻原因──不貞・暴力・酒乱・遺棄
    夫婦が持つ貞操権、人格権、相互扶助権の侵害にあたり、決定的な破綻原因です。これらを行なった者は、いわゆる有責配偶者であり、離婚を請求されて当然です。
  • 相対的破綻原因──浪費・性格の不一致・性の不一致・宗教・病気等
    これらの場合は、改善の努力や介護の有無、仕事や家事その他への影響の有無など状況に応じて離婚理由になったりならなかったりします。特に、人生観・価値観の隔絶となると、はなはだ主観的であり、明確な物差しはないように思いますが、性格の不一致で離婚になった夫婦もいます。

こんなものも証拠

証拠とは事実が残した痕跡です。デジカメで写した事実は、映像という形で痕跡が残ります。手紙を出せば、手紙という痕跡が残ります。彼、あるいは彼女こら電話があり、急いでメモをとったとします。そのメモも証拠ですが、メモ帳の次の紙片に残された字の跡も証拠です。セックス後の始末紙や毛も証拠ですが、これが誰のものかとなると科学警察の力が必要となりますから、殺人事件にでも発展しない限り、通常、このようなものは証拠となり得ません。

 

  • 写真──腕を組んで歩いていた写真や車内で抱擁していた写真など。(暴行傷害の証拠として提出されることもあります)夫婦親子が仲睦まじく生活していた写真(性格の不一致事件で被告側から、仲のよかった時代の証拠として)
  • 調査事務所の報告書──追跡して、2人がホテルへ入る所、出てくる写真を撮影し報告書を添付したものなど。(不倫関係の証拠として) 
  • 日記・手帳類──相手方が異性関係を記した日記や手帳は、証拠として決定的な価値があります。
  • 相手方が告白したことを記した、ご自分の日記や手帳は、嘘が混じることがあり得ますから、証拠としての価値は少なくなります。
  • 手紙・メモ類──相手方の書いた手紙は証拠として価値があります。したがって、ここでも異性関係が記されていれば、決定的な証拠になります。しかし、第三者の手紙となると、その第三者が公平な立場の人でない限り、自分の書いたものと同様の価値しか認められないでしょう。
  • メール──これは改ざんが簡単にできそうですから、相手方のメールであっても、証拠としての価値は手紙やメモより劣りそうです。
  • 年賀状・暑中見舞い──これも内容が年賀と暑中見舞いですから、ないよう面から、証拠価値が少ないようです。しかし、筆跡が争われた場合は、本人の字であることを証明する手がかりになることがあります。
  • 診断書──暴行傷害の証明には欠かせません。証拠としての価値は大いにあります。
  • 陳述書──ご自分や親戚・友人などの証言は、あらかじめ「陳述書」という形で作成しなければなりません。③や④のように、決定的証拠とはなり得ませんが、これらの陳述書なくして裁判はせきません。
  • 戸籍謄本・住民票写し・不動産登記簿謄本・課税証明書等──これらは公文書ですから、証拠としての価値は大です。しかし、婚外子を作って認知したような特別の場合を除き、離婚原因を証明することにはなりません。
  • 録音テープ──「反訳」といって文字に直し、テープと反訳文をセットにして提出しなければなりません。暴言や屈辱的発言、脅迫などの肉声テープは証拠価値が大です。しかし、話し合いをテープにした場合は、自己に有利な部分だけを記録しておくという修正の可能性がありますから、証拠としての価値は必ずしも高いとはいえず、ケースバイケースです。
  • スナックのマッチ箱──破綻の端緒の証拠として登場しそうですが、裁判で出されることは少なく、スナックが、夫の素行とどういう関係にあるのか、飲酒が問題なのか、スナックのママさんとの浮気が問題なのか、その辺の関連を突き止めねばなりません。
  • 女性あるいは男性の名刺──この名刺が妻あるいは夫の素行とどういう関係があるのか、⑪と同様に異性としての交際の程度が問題となります。これも破綻の端緒として登場しそうです。
  • 不相当な贈り物──これも、誰が、いつ、なぜ贈ったのか事情が問題となりますから、プレゼントを見つけただけでは意味がなさそうです。
  • ワイシャツにつけられた口紅──破綻の端緒として問題となります。しかし、電車の中でつけられたかもしれません。ワイシャツや背広の、どの場所の、どういう口紅か、よく観察しておかねばなりません。また、事情を聞きだしておく必要もありそうです。
  • 下着に附着した体液や毛──破綻の端緒として出てきそうです。発見したときに、よく観察して、質問しておく必要があるかもしれません。こういうときこそ、こっそりテープをとっておきたいものですが、冷静でいられますかどうか。
  • パスネットやイオカードに残された駅名──行動の記録がわかります。「今日は地方出張で泊まり」といいながら、パスネットの駅名が近郊の私鉄の駅だったり……。
  • 携帯電話の記録──パートナーの交際範囲を知っておかねばなりません。その交際範囲と電話の記録が一致するかどうか。これも、日頃の観察がひつようです。

    人は行動すれば、痕跡を残します。酒を飲めば酔うごとく。その痕跡が証拠ですから、証拠は、本来、探せば限りなく存在するはずですが、例えば浮気をした場合、証拠を残さないよう行動するわけですから、簡単には見破れません。日頃の人間観察、パートナー観察が必要な所以です。「おかしい」と気付いたときには、痕跡がなくなっていることもあります。