経審は人的・時間的制約などにより、企業が提出する申請書や添付書類をもって行わざるを得ないことから、虚偽申請の防止には徹底した配慮が必要となります。国土交通省は平成16年5月、虚偽申請防止策を強化するために10のチェック項目を定め、該当者に対して重点調査を行うこととしました。

まず平成14年2月の中央建設業審議会で、次のとおり経審における虚偽申請の4つの防止策が明らかにされました。
①審査行政庁による疑義業者リストの活用と徹底
②虚偽申請を行った際の監督処分基準の明確化
③CORINS(コリンズ「工事実績情報システム」)の登録対象となる公共工事の拡大
④施工体制Gメンの実施

①審査行政庁による疑義業者リストの活用と徹底

平成12年6月に「経営事項審査における完成工事高と技術職員数値の相関分析の活用について」(平成12年6月30日建設省経建発第136号)により、疑義業者リストの活用が要請されています。現在では、この疑義リストにより、完成工事高の水増しなどの虚偽申請のあぶり出しが効率的に行われるようになっています。

また平成16年5月には、経審申請の受付段階で虚偽申請の可能性があるかどうかをチェックするため、10項目にわたるチェック項目を制定し、虚偽申請防止策を強化しました。

②虚偽申請を行った際の監督処分基準の明確化。

平成14年5月1日施行で、建設業者の不正行為などに対する国土交通大臣が監督処分を行う場合の新たな統一的な監督処分の基準が明確化されました。そのなかでは、完成工事高の水増しなどの虚偽申請を行うことにより得た経審結果を公共工事の発注機関に提出した場合には、原則として15日以上の営業停止処分とすることなどが定められましたが、平成20年3月10日、この基準を改正して経審の虚偽申請に対する営業停止処分を30日以上とし、さらに経審のW項目の「監査の受審状況」で加点を受けている場合は、1.5倍の45日以上に強化されました。

③CORINS(コリンズ「工事実績情報システム」)の登録対象となる公共工事の拡大

平成14年10月から、コリンズ登録への義務付けが500万円(消費税込)以上の公共工事に広げられています。ただし500万円以上2,000万円未満の工事については、登録項目も少なく、受注時のみの登録でよいなど建設会社の負担の軽減が図られるとともに、登録手数料も軽減されています。

④施工体制Gメンの実施

平成14年から不良・不適格業者廃除推進のために施工体制のチェックを強め、大臣許可担当部局が立ち入り調査を実施しています。現在は地方自治体においても施工体制Gメンを実施し、公共工事の適正な施工体制の確保を図るとともに、ぺーパーカンパニーなどの不良・不適格業者の排除を行っています。現場での抜き打ち調査の結果「一括下請負」「技術者制度違反」「経審虚偽記載」「施工体制台帳等虚偽記載」「無許可業者との下請契約違反」「施工不良」などの違反が見受けられ、監督処分などの措置がとられています。さらに平成19年4月からは、建設業法令遵守推進本部を各地方整備局に設置し、対策を強化するとともに、電話による駆け込みホットラインを設置し、内部告発やリークに関する情報を収集しています。