【建設工業新聞  12月 2日 1面記事掲載】

建設キャリアアップシステム(CCUS)などを巡って国土交通省が11月30日に開いた建設業団体との意見交換会で、日本建設業連合会(日建連)の山内隆司会長らが対応状況を説明した。山内会長は「地方自治体が発注するレベルまで広げてもらえれば(中小の事業者にとって)切実感が沸いてくるはずだ」とCCUS活用工事の拡大を要請。赤羽一嘉国交相は「国交省としてちゃんとコミットしなければならない」と応じ、「47都道府県にアプローチする」と明言した。=2面に関連記事

日建連の山内会長は「会員一丸で普及に取り組んでいるが建設市場の4分の1を占めるに過ぎない。会員現場では1次下請業者の加入がほぼ済んだが、2次以下は1次を介してなのでスピードが上がらない」と現状を説明した。抜本的な解決には「入契法や建設業法で将来的にCCUSの義務化の方向性を示すことやすべての関係団体への具体的な要請、目標による加入促進が不可欠だ」と訴えた。

全国建設業協会(全建)の奥村太加典会長は「個々の技能者に対しては建設業退職金共済(建退共)制度の連携による退職金確保や経歴、資格による賃金上昇といった希望感を見せられている。技能者を直接雇用する事業者にはっきりとメリットを見せられていない」とし、メリットの明確化と負担軽減策を求めた。

全国中小建設業協会(全中建)の土志田領司会長は、国交省直轄工事で試行している義務化モデル工事と同様の取り組みを地方自治体の発注工事に拡大し、義務化工事とするよう要望した。建設産業専門団体連合会(建専連)の才賀清二郎会長は「カードを取得しても使用する現場がない」とのカード取得者の声を紹介。公共工事全現場と10億円以上の民間工事の現場でカードリーダーを設置することを強く求めた。

コロナ禍で民間投資の減少が懸念されている。日建連の山内会長は「ダンピングのしわ寄せが技能者の処遇に及ぶことがあってはならない。処遇を守る歯止めとしてCCUSの活用が今こそ求められている」と力を込めた。日建連の宮本洋一副会長は「きちんと機能して定着して社会インフラになることを望んでいる」と強調した。

赤羽国交相は「業界の将来は人材にかかっている。相当本気で地方自治体とやらないといけない」と普及に意欲を見せた。