【建設工業新聞  12月 2日 1面記事掲載】

政府は、2021年度から取り組む防災・減災、国土強靱化対策の新5カ年計画の事業規模を15兆円程度とする方針を固めた。菅義偉首相が1日の閣僚懇談会で▽大規模な風水害や地震などへの対策▽予防保全に向けた老朽化対策の加速▽デジタル化などの推進-の3本柱で新計画を取りまとめるよう関係閣僚に指示した。初年度の対策費は編成中の20年度第3次補正予算で措置する。計画策定時期は未定だが、小此木八郎国土強靱化・防災担当相は「早急に決定し発信することが大事」と強調する。

新計画の名称は「防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策(仮称)」(21~25年度)。現行の3か年緊急対策(18~20年度、事業規模7兆円)よりも、期間と事業規模を拡充する理由を、加藤勝信官房長官は「激甚化する風水害や巨大地震への対策などを実施するに当たり、5年で対応することが妥当との判断に基づく」と説明した。菅首相からの指示を踏まえ、小此木国土強靱化・防災担当相は「その時々に発生する自然災害などに機動的・弾力的に対応する」と表明。赤羽一嘉国土交通相は「しっかりと内容を検討し全国の皆さまの要望に応えていきたい」と語った。

五か年加速化対策では、3か年緊急対策で取り組んできた河川堤防の整備や道路の防災機能の強化といった災害対策を加速・深化させる。対策の内容は今後詰めるが、気候変動の影響で多発する大規模水害への対策として、あらゆる関係者が協働してハード・ソフト施策を展開する流域治水の取り組みを盛り込むとみられる。

老朽化対策を位置付け、インフラメンテナンスの在り方を事後保全から、機能が損なわれる前に手当てする予防保全に転換していく。デジタル化では建設現場の生産性向上策i-Constructionの推進や、国交省のインフラデータプラットフォームなどのデータ基盤の活用などの記載が想定される。

今夏に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2020(骨太の方針)」では、強靱化対策の重要業績指標(KPI)を設定すると明記した。ただ、五か年加速化対策の達成目標の方向性は決まっていない。初年度の財源となる第3次補正予算は21年度当初予算とともに「15カ月予算」として編成する。22年度以降の対策費用の財源の在り方は示されていない。