【建設工業新聞  12月 4日 1面記事掲載】

国土交通省が所管する法律の見直し検討の方向性が明らかになった。政府が近く閣議決定する「2020年の地方からの提案等に関する対応方針」によると、建築士法では、1級建築士免許関連の書類提出などに関する都道府県経由事務を廃止する方向で検討。宅地建物取引業の免許や不動産鑑定業の登録なども都道府県経由事務を廃止する考え。建築基準法などの運用上の課題や今後の検討方針案も盛り込まれる。

政府は地方分権改革の一環として14年度に提案募集方式を導入。20年に地方自治体から寄せられた提案を踏まえ、地方分権改革有識者会議などでの議論を経て対応方針をまとめる。法改正が必要な事項は、地方分権一括法案として来年の通常国会に提出する。

建築士法については、1級建築士の免許などに関する書類の提出や1級建築士試験の受験申し込みなどで、都道府県を経由する事務を廃止する方針が示された。廃止に伴い受け付け窓口を、中央指定登録機関の日本建築士会連合会が設置する窓口に一本化する。対象の書類は国交省に提出する▽住所などの届け出▽死亡などの届け出▽免許取り消しの申請▽失踪宣告の届け出-の四つ。年間で計8000件程度提出されている。

現行法では中央指定試験機関の建築技術教育普及センターが災害などによって試験が実施できない場合、国が直接試験を行う。その際の受験申し込みで、都道府県経由事務を廃止する。

宅地建物取引業法と不動産鑑定評価法はいずれも二つ以上の都道府県で、宅地建物取引業の大臣免許申請、不動産鑑定業の大臣登録申請について都道府県を経由する事務を廃止する。

対応方針にはこのほか、国交省が所管する法律の運用上の課題や今後の見直しの検討方針案が盛り込まれる。

建築基準法では、用途地域の制限に適合しない建築物について特定行政庁による許可(特例許可)の解釈を明確化。PFI事業など民間事業者の公募手続き中でも、具体的な建築計画が提案された場合、利害関係者への意見聴取や建築審査会の同意取得ができることを、特定行政庁へ年度内に通知する。

公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法などについては、机上査定の拡大を検討する方向性が示された。災害復旧が迅速化するよう、ウェブ会議方式などによる机上査定の実施状況や無人航空機による測量技術の進展などを踏まえ検討し、21年度中に結論を出す。この結果に基づき必要な措置を講じるとした。