【建設工業新聞  12月 8日 1面記事掲載】

政府は2021年度予算編成の基本方針原案をまとめた。厳しい財政状況を指摘する一方、「経済あっての財政」との考え方を示し、新型コロナウイルスの感染拡大で冷え込んだ景気の回復を優先する姿勢を打ち出した。重要な政策課題として、災害復興・防災対応の強化などに取り組む。20年度第3次補正と21年度当初を「15カ月予算」として一体的に編成する方針を示した。=2面に関連記事

原案は4日に開いた経済財政諮問会議(議長・菅義偉首相)で提示した。首相は「切れ目のない、財政運営を行う」と表明。その上で「デフレへの後戻りを何としても避けるため、これまで続けてきた賃上げの流れを継続してほしい」と述べ、コロナ禍の中でも経済界に賃上げを要請した。次回の諮問会議で基本方針を取りまとめた上で、閣議決定する。

原案には感染拡大防止と社会経済活動の両立を図りつつ、ポストコロナの新しい社会の実現を目指し、中長期的な成長力強化の取り組みを推進すると明記。重要な政策課題として▽新型コロナ拡大防止策▽成長力強化のためのデジタル改革・グリーン社会の実現▽生産性向上と継続的な賃金底上げによる好循環の実現▽東日本大震災をはじめ各地の災害からの復興や防災対応の強化-などを挙げた。

これらの対応に必要な予算措置を講じ、財政健全化への着実な取り組みを進めつつ、メリハリの効いた予算編成を目指す。防災・減災、国土強靱化の推進を柱の一つとする政府の新たな経済対策(案)に基づき、15カ月予算の考え方で編成する。

国土強靱化については21年度から5年間で、時々の自然災害などの状況に即した機動的、弾力的な対応を行うこととし、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(仮称)」を取りまとめると明記。対策は激甚化する風水害や巨大地震などの対策、予防保全に向けた老朽化対策の加速、デジタル化などの推進が柱となる。特に加速化、深化させるべき施策のため追加的に必要となる事業規模は15兆円程度を目指すとし、初年度は20年度第3次補正予算で措置するとしている。