【建設工業新聞  12月 9日 1面記事掲載】

政府は8日に事業規模約73・6兆円の経済対策を閣議決定した。国費や財政投融資を合わせた財政支出は約40兆円となる。国費として2020年度第3次補正予算案と21年度予算案で計約30兆円を確保。財政投融資や地方負担分などで10兆円を賄う。菅義偉首相は同日、首相官邸で開いた政府と与党の政策懇談会で「国民の命と暮らしを守るため雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させ、グリーンやデジタルをはじめ新たな成長の突破口を切り開くべく策定した」と述べた。

取り組む施策は▽新型コロナ感染症の拡大防止策▽ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現▽防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保-の三つが柱になる。

民間の支出分も含めた事業規模ベースで防災・減災、国土強靱化の推進に約5・9兆円を充てる。

流域治水の推進など災害に対し人命・財産の被害を防止・最小化するための対策や、交通ネットワーク・ライフラインを維持し経済・国民生活を支えるための対策を講じる。予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向け、インフラの老朽化対策を加速。同時に建設現場の生産性向上策i-Constructionなどの推進、防災のDX(デジタルトランスフォーメーション)に強力に取り組む。

20年7月豪雨など自然災害による被災者の生活やなりわいの再建や、復旧・復興に向け、引き続き全力で取り組む。被災したインフラや学校などの公共施設を、速やかに本格的な復旧を図る。

防災・減災、国土強靱化対策について、政府は21年度からの新5カ年計画を事業規模15兆円程度で取りまとめる。財政措置に加え、財政投融資、民間投資も含めた規模として想定される。初年度の対策費は編成中の20年度第3次補正予算で措置する。

コロナ後を見据えた経済構造の転換で、菅政権は50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げた。

脱炭素化に向けた研究開発を後押しする2兆円の基金を設立し、革新的な技術開発に取り組む企業を10年間にわたり継続的に支援する。業態転換する中小企業の設備投資を支援する「事業再構築補助金」を創設する。