【建設工業新聞  12月 16日 1面記事掲載】

国土交通省は15日、国土交通技術政策の方向性を提示する有識者懇談会の第16回会合をウェブ開催した。テーマは「防災・減災、国土強靱化」。石田東生筑波大学特命教授らが検討すべき施策を提示し、国交省の担当者と意見交換した。24日に第17回会合を開いた上で、年度内に取りまとめを行う予定だ。

石田教授は東日本大震災の復興が、人口減少や投資意欲の減退など社会情勢が影響し「必ずしも円滑、十分には展開できなかった。反省しなければいけない」と指摘。社会資本の改良・更新・改築に際して単なる機能更新にとどまらず「事前復興ビジョン」に沿うような柔軟性の発揮が求められるとし、強靱化の施策体系に事前復興を加えるべきだと主張した。

25年以上にわたる財政再建至上主義的な政策により、日本は世界でもまれな成長しない国になり、安全・安心して暮らせ、未来に希望が持てる国でなくなっていると主張。社会資本施設だけでなく社会・地域システムやコミュニティーなど多種多様な領域やレベルでの強靱化の必要性を強調。日本の力や国際的信用を毀損(きそん)しないためにも強靱化が「財政再建以上に緊急かつ重要だ」とした。

国交省は社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)と交通政策審議会(交政審、同)合同の技術部会が設置したワーキンググループ「国土交通技術行政の基本政策懇談会」(座長・石田特命教授)で有識者と意見交換した。次回会合はカーボンニュートラルや地球温暖化対策などをテーマに議論する。