【建設工業新聞  12月 21日 1面記事掲載】

国土交通省は天候によって稼働量が左右される道路除雪の事業環境を改善する。少雪でも必要となる待機作業員の人件費や除雪機械の維持修繕など、「固定的経費」を積算で計上する方策を検討する。直轄工事の実態調査に基づき道路除雪工の固定的な経費を分析。有識者の意見なども踏まえて積算体系を見直す。2021年度の直轄工事で試行する。

直轄の道路除雪工では09年度から稼働の有無にかかわらず、待機費用(待機指示から稼働前まで)を計上する積算基準となっている。実態調査を踏まえ歩掛かりも改定している。ただ降雪量が少ないと、受注者は稼働が減り収入の確保が難しくなるため、天候による受注者の収入変動のリスクをマネジメントする仕組みとして、保険商品「天候デリバティブ」を活用した事例もある。

19年度は全国的に記録的な少雪となり、一部の地域を除き除雪出来高が上がらなかった。受注者からは「少雪の年でも必要となる待機作業員の人件費や除雪機械の維持修繕など固定費が補填される仕組みを導入してほしい」といった意見が寄せられた。

国交省は直轄の道路除雪工で降雪量の大小を問わず除雪体制を確保するために必要となる経費について、諸経費動向調査を実施。実態を把握した上で、少雪時でも固定的に発生する経費を計上可能な積算方法を検討。21年度に試行する。

17日に開いた有識者会議「維持管理部会」(部会長・堀田昌英東京大学大学院教授)で積算改定のイメージを示し、各委員の賛同を得た。ある委員からは「雪の降り方や雪の質には地域によってばらつきがある。類型化も必要ではないだろうか」といった視点が提案された。

国交省の調査によると、道路除雪が多く発生する地方自治体では少雪の場合、固定的経費を積算で計上できる仕組みが導入されている。札幌市では19年度、緊急対策として除雪体制確保のための固定的経費相当分を支払った。