【建設工業新聞  12月 24日 2面記事掲載】

国土交通省の集計(速報値)によると、熊本県など九州南部を中心に被害が発生した2020年7月豪雨による土砂災害の発生件数が961件になった。集計を開始した1982年以降、単一の豪雨災害で過去3番目の水準。被害を確認した都道府県数は過去最多の37府県だった。甚大な広域災害だったことが改めて浮き彫りになった。

7月豪雨を含めた20年(1~12月)に全国で発生した土砂災害件数は1316件。宮城県を除く46都道府県で土砂災害が発生した。集計開始以降の平均発生件数(1105件)の約1・2倍を記録した。被害の内訳は地滑り116件、土石流など223件、崖崩れ977件。地滑りの発生件数は直近10年(10~19年)の平均発生件数(109件)を上回った。

7月豪雨で最も被害の大きかった熊本県では227件の土砂災害が発生し、集計開始以降、同県の最多件数を記録した。これまでは熊本地震が発生した16年(223件)が最多だった。

年間の発生件数上位の都道府県は▽熊本▽鹿児島(121件)▽神奈川(104件)▽長野(99件)▽長崎(73件)-の5県。

近年急激に進む気候変動などの影響で大雨や土砂災害が増加傾向にあるが、国交省が整備した砂防堰堤が流木や土砂を捕捉するなど、砂防関係施設が効果を発揮する事例も多く見られた。