【建設工業新聞  12月 24日 2面記事掲載】

国土交通省は22日、北陸新幹線金沢~敦賀間の開業先延ばしと事業費増額を巡り、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対し業務改善命令を発出した。業務の抜本的な見直しに向け、事業執行体制や本社チェック機能の強化、関係自治体などとの情報共有の拡充などに取り組むよう指示。対応策を2021年1月29日までに報告するよう求めた。これを受け、鉄道運輸機構の北村隆志理事長は同年1月に引責辞任する考えを表明した。

同日、上原淳鉄道局長が東京・霞が関の国交省内で北村理事長に命令文書を手交した=写真。手交後、北村理事長は記者団の取材に応じ、「事態を重く受け止めている。工期遅延と事業費の増額により関係自治体をはじめ、関係者の期待を裏切り多大なご迷惑を掛けた」と陳謝。「改善措置に速やかに取り組み、しっかりリスク管理を行いながら23年度末の開業、追加費用2658億円という枠内で実現できるよう全力を尽くすのが機構の責任だ」と語った。北村理事長とともに小島滋副理事長も辞任する。改善措置は新体制で取り組むことになる。

赤羽一嘉国交相は鉄道運輸機構に対し「今般の処分を厳粛に受け止め、早急に適正な事業実施体制を確保していただきたい」とのコメントを発表。国交省としても「機構に対する監理・監督体制を強化し適切な事業管理の下、一日も早い完成・開業に向けて取り組んでいく」とした。

命令文書によると、事業執行体制の強化では石川、福井両県など現場に近い場所に司令塔となる組織を配置することを要請。チェック体制の強化は効率性に配慮しながら外部の有識者から助言を得る仕組みの構築を求めた。関係者と工事の進捗(しんちょく)や事業費の執行状況を定期的に情報共有する体制の導入も指示した。