【建設工業新聞  1月 6日 1面記事掲載】

中央省庁再編で2001年1月に国土交通省が発足してから、6日で20周年を迎える。建設、運輸両省と国土、北海道開発両庁の4省庁を統合し約6万8000人の職員を抱える巨大組織として始動。社会資本整備の円滑で効率的な実施とともに縦割り行政の弊害を打破し、各分野で横断的施策が実現するなどさまざまな統合効果を発揮してきた。頻発する自然災害への対応力も高めてきた。

20年間で国交相は初代の扇千景氏から、現職の赤羽一嘉氏まで計15人(臨時代理除く)が歴任。事務方トップの事務次官には21人が就いた。国会に計227本の法案を提出した。発足後初めて施行された法律は「公共工事入札契約適正化法(入契法)」だった。

インフラの整備状況を見ると、05年度に43%だった三大都市圏の環状道路整備率は19年度で82%に伸びた。ミッシングリンクの解消が着実に進んでいる。河川堤防の整備率は19年度で69%(01年度56%)。整備新幹線の整備延長は19年度に930キロ(01年度117キロ)となり、発足時と比べ約8倍に伸びた。

統合メリットを発揮した施策は▽羽田空港再拡張事業▽防災・減災対策▽踏切事故の対策▽コンパクト+ネットワークの推進▽バリアフリー対策の進展▽インフラシステムの海外展開-など。羽田空港D滑走路は多摩川の通水性を確保するため、航空局と河川局(現水管理・国土保全局)が連携。埋め立て部と桟橋部(河口)で構成するハイブリッド構造を実現した。D滑走路の運用開始で羽田空港の年間発着枠は30・3万回から44・7万回に増加した。

本省や地方整備局、地方運輸局、地方航空局、気象庁、国土技術政策総合研究所(国総研)、国土地理院など幅広い部局で構成する「テックフォース(緊急災害対策派遣隊)」も統合効果の一つだ。08年4月の創設時に2547人だった隊員数は、20年4月時点で1万4386人と約5・6倍の体制になった。災害時には国交省のスケールメリットを生かし、被災自治体へ集中的に支援に当たっている。

温暖化に伴い多発する激甚な自然災害からの復旧・復興、防災・減災、国土強靱化への対応に向け体制を整備。定員合理化による人員減が続いていたが、19年度に純増へ転じ、20年度は5万8698人(うち地方整備局1万8989人)となっている。