法人成りした年の確定申告の方法

年の途中で廃業した場合の確定申告

年の途中で事業を廃止しても、所得税については例年通り翌年3月15日、消費税については3月31日までに申告します。
個人事業最後の確定申告をするときは、新しく設立した会社からもらっている給与所得を事業所得にプラスして申告します。

通常の年なら個人の事業税は申告の必要がありません。
3月15日の確定申告をもとに役所が税金を計算し、翌年、納付書が届くからです。
しかし個人事業を廃止した年は、廃止後1カ月以内に事業税の申告をするか、または見積り額を計算して、廃業した年の所得税の経費に入れます。

廃業しても予定納税が発生したらどうする?

税務署から「所得税の予定納税額の減額申請書」に、事業に係る納税見積額を0円と記入して、7月15日(11月15日)までに、税務署に提出すれば問題ありません。

消費税も同様に課税所得がなければ課税所得および税額の欄に0円と買いて、8月31日までに中間申告書を提出します。
うっかり提出期限を過ぎてしまったら、納付書に記載通りの税金をいったん納めておき、翌年申告して、支払い過ぎた税金を取り戻します。

資産を法人に譲渡する場合の消費税に注意

個人事業主時代の商品在庫や内装設備、パソコンや工具類、自動車などの減価償却資産を法人に売却した場合は、その分の消費税を個人事業最後の申告に含めて納付しなければなりません。

資産を売却するときの適正な金額は?

個人事業主である自分から、自分でつくる会社に売る場合、いくらで売っても自由にできるかというとそうではありません。
自動車など時価相場があるものは時価に近い金額で、パソコンや工具など相場のないものは帳簿価額で譲渡します。
また商品のように販売目的で所有している在庫の時価は、本来なら販売価格ということになりますが、法人成りの場合は、帳簿価格か販売価格に70%をかけた金額のどちらか高いほうの金額で良いとされています。
もし時価よりも大幅に低い金額で売却すると、時価で売却したものとみなされ、個人には所得税や住民税、法人には法人税がかかってしまいます。