日本政策金融公庫の概要

第1章 日本政策金融公庫の設立の経緯と目的

日本政策金融公庫は、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、国民生活金融公庫を前身とする政策金融機関で、平成20年に現在の形で設立されました。

設立の目的は、民間金融機関の補完を旨としつつ、国の政策に基づいて中小企業や農林水産業者などに政策金融を機動的に実施することです。低金利の資金供給や長期固定金利の設定などにより、民間金融が十分でない分野や高い政策目的のある分野を支援しています。

第2章 主な事業内容

日本政策金融公庫が行っている主な事業は以下のとおりです。

1中小企業事業(融資業務、信用保険業務)
2国民生活事業(住宅・教育資金等個人向け貸付)
3農林水産事業(農林水産業者向け貸付)
4危機対応事業(新型コロナ対策資金等)

このうち中小企業事業は、中小企業の設備資金や運転資金に長期・固定金利で直接貸付を行うほか、信用保証協会の保証付き融資に対する信用保険を引き受けることで、中小企業の資金調達を幅広く支援しています。

第3章 支援の特徴と成果

日本政策金融公庫の支援は民間金融機関では対応が難しい分野や小規模事業者に対して集中しており、中小企業の資金繰り支援に大きく貢献しています。例えば信用保険では資本金1,000万円以下の小規模事業者向けの割合が7割以上を占めています。

また、新型コロナ禍では迅速な政策対応ができる特長を活かし、政府の支援策と連動した資金供給で中小企業の資金繰り対策に尽力するなど、危機下にある企業を支えるセーフティネットとしての機能も果たしています。

以上、日本政策金融公庫の概要について設立から事業、特徴を整理しました。中小企業支援の要として大きな役割を担っていることがわかります。