日本政策金融公庫の中小企業事業の役割と特色

第1章 民業補完機能の発揮

日本政策金融公庫の中小企業事業は、民間金融機関の補完を大きな役割としています。中小企業は資金調達力が弱く、長期固定金利の安定供給が必要ですが、これを担うのが中小企業事業です。景気変動に対応して融資を増減させることで、景気の谷間で中小企業を下支えしています。

第2章 政策性の高い特別貸付等の推進

中小企業事業では、新事業や事業承継など政策目的の高い分野に対し、政策金融としての特別貸付を行っています。コロナ禍では実質無利子融資等の返済負担軽減のために既往債務の返済猶予も柔軟に対応するなど、政策実施機関として機能しています。

第3章 信用補完機能の発揮

中小企業事業は信用補完制度において、信用保証協会の保証する融資債務に対する保険を引き受けることで、中小企業の資金調達を幅広く支援しています。158万先の中小企業が利用しており、小規模事業者を含めた中小企業全体の44%に当たります。自然災害や経済変動下でもセーフティネット機能を発揮し、信用保証協会と連携して制度を支えています。

中小企業事業はこうした多様な役割と機能を通じ、わが国の中小企業・小規模事業者に対する重要な政策支援を担っていることがわかります。柔軟な対応力と他機関との連携が大きな強みであると考えられます。