建設業許可事務ガイド【その他】

1.許可番号について

(1)許可番号は、国土交通大臣の許可に係る場合にあっては、下記の具体例のとおり、許可行政庁名、一般建設業又は特定建設業の別、許可年度及び業者番号を、記号及びアラビア数字をもって付与する。
なお、業者番号は、一業者一番号とし、一般建設業の許可及び特定建設業の許可を通じ、同一の番号を付与する。例えば、一般建設業の許可をするに当たって、第 100号を付与した場合は、特定建設業の許可をする場合においても、同番号を付与することとなる。

(2)許可番号は、地方整備局等単位ではなく全国を通して、許可をした順に付与することとする。

(3)既に受けていたすべての許可が効力を失った場合(特定建設業の許可のみを受けている者が、一般建設業の許可を申請するために、特定建設業の全部を廃業する場合を除く。)の許可番号は欠番とし、補充は行わないものとする。

 

2.法等における「請負代金の額」等の内容について

消費税及び地方消費税は消費一般に負担を求める間接税であり、取引の各段階において適正に転嫁される必要があることにかんがみ、法、令及び規則の規定中、「請負代金の額」その他の個々の取引に係る請負代金に係る用語は、当該取引に係る消費税及び地方消費税の額を含むものとする。

 

3.国土交通大臣の許可に係る許可要件等の確認について

許可等をするに当たっては、申請又は届出に係る経営業務の管理責任者(法第7条第1号及び第15条第1号)及び営業所ごとに置かれる専任の技術者(法第7条第2号及び第15条第2号)が、法に規定する要件に適合しているか否か等を確認する必要があるので、次の(1)から(3)に掲げる方法により、その確認を行うこととする。また、必要に応じ、法第31条第1項の規定に基づき営業所の立入検査を実施することとする。

(1)経営業務の管理責任者に係る許可要件の確認
経営業務の管理責任者の常勤性の確認については、例えば健康保険被保険者証カード(両面)の写し若しくはこれらに準ずる資料の提出又は提示を申請者に求めることにより、経験年数の確認(【第7条関係】1.(6)の場合を除く。)については商業登記簿謄本その他建設業の経営業務に関する経験を確認することができる資料の提出又は提示を申請者に求めることにより、それぞれ行うものとする。

(2)営業所ごとに置く専任の技術者及び令第3条に規定する使用人に係る許可要件の確認
営業所ごとに置く専任の技術者及び令第3条に規定する使用人に係る常勤性の確認については、例えば健康保険被保険者証カード(両面)の写し若しくはこれらに準ずる資料の提出又は提示を申請者に求めることにより行うものとする。

(3)営業所の確認
営業所の確認については、次の①及び②に掲げる資料の提出又は提示を申請者に求めることにより行うものとする。
① 営業所の地図及び営業所の写真
「営業所の地図」とは、営業所の所在地を明記し、最寄りの交通機関、公共、公益施設等の位置を明示した概略図とする。
また、営業所の写真とは、営業所の形態を確認できるもので、営業所のある建物の外観、入口付近及び営業所の内部(規則第25条第2項前段に規定する標識が掲示されていることが確認できるもの)を写したものとする。
② 営業所を使用する権原を確認するための資料
営業所を使用する権原を確認するための資料は、不動産登記簿謄本又は不動産賃貸借契約書等の写し若しくはこれらに準ずる資料とする。

 

4.建設業者の合併に係る建設業許可関係事務の取扱いについて

(1)合併に伴う諸届出
① 新設合併により消滅する会社
法律上、新設合併の効果が生じるのは合併登記後であるが、通常は、合併契約上合併をなすべき時期(以下「合併期日」という。)を定め、合併登記をまたず合併期日以後は実態上新設会社(新設合併において合併に伴い設立された会社をいい、合併期日後合併登記前の状態を含むものとする。以下4.において同じ。)として活動することとなると考えられる。
したがって、このような新設会社への移行の実態的内容に着目し、次のとおり取り扱うものとする。
(a)合併期日において、合併契約に基づき合併により消滅することとなる会社(以下「消滅会社」という。)の従業員が新設会社に実態上所属することとなる等消滅会社が許可の要件を明らかに満たさなくなる場合法第11条第5項に該当し、合併期日から二週間以内に同項の届出をしなければならない。ただし、法第12条第5号に該当するものとして同条の規定による届出をした場合はこの限りでない。
(b)(a)以外の場合で合併期日以後残務整理等を行い合併登記前に段階的に新設会社に移行する場合
消滅会社が許可の要件を明らかに満たさなくなり、又は廃業した段階で法第11条第5項又は第12条第5号に該当するものとして、これらの規定による届出をしなければならない。
(c)(a)及び(b)以外の場合(合併登記の段階で消滅会社の実態が消滅する場合)法第12条第2号に該当するものとして、同条の規定による届出をしなければならない。
② 吸収合併における消滅会社
法律上、吸収合併の効果が生じるのは合併期日であるため、合併登記前においても法第11条の届出をなすべき実態が生じた段階で、当該届出をしなければならないものとする。

(2)建設業の許可申請の取扱い
① 許可手続を行う時期
消滅会社が合併以前に受けていた建設業の許可については、当該合併により新会社(吸収合併においては合併後存続している会社(以下「存続会社」という。)、新設合併においては新設会社をいう。以下4.において同じ。)に当然継承されるものではなく、(a)吸収合併においては、存続会社が許可を受けておらず消滅会社のみが許可を受けていた業種について、(b)新設合併においては、新設会社は、許可を受けようとするすべての業種について、それぞれ新たに許可を受けることが必要となる。また、吸収合併の場合、存続会社が一般建設業の許可を受けている業種について、特定建設業の許可を受けなければならない場合もあり得る。これらの合併に係る建設業の許可申請の取扱いについては、当該申請に係る建設業の新会社への移行の円滑化を図るため、次に掲げる事項に留意するものとする。
(a)吸収合併の場合
合併期日後に、存続会社より、これらの許可の申請があったときは、消滅会社に係る同種の許可の取消し前においても存続会社に許可をすることができるものであり、消滅会社から存続会社への移行を円滑に進め、事業の空白をなるべく生じさせないという観点から、可及的速やかに処理する。なお、存続会社の既に許可を受けている許可の更新と併せて【第3条関係】4.でいう同一業者に係る二以上の許可の有効期間の調整(一本化)ができることに留意する。
(b)新設合併の場合
新設合併の場合においては、法律上、合併の効果が生じ新設会社が設立されるのは合併登記時であるので、合併登記後に新設会社に必要な許可申請を行わせ、可及的速やかに処理する。
② 手続における配慮
審査の円滑な実施のため、合併により許可申請が必要となると見込まれる場合には、なるべく早く申し出、事前打合わせを行うよう、建設業者(許可申請をすることとなる者を含む。以下同じ。)を指導する。
③ その他の留意事項
消滅会社から新会社への移行に当たり事業の内容に変更事項が多数ある場合には審査に相応の期間が必要であり、①に掲げる取扱いは合併に伴う許可申請についての行政手続法(平成5年法律第88号)第6条の標準処理期間をその他の許可申請に比べて短縮する趣旨ではない。

(3)関連する手続相互の整合性の確保
(1)及び(2)に掲げる手続については、建設業者間の相互に直接の関係を有するものではなく、例えば消滅会社の廃業届等が提出される前に新会社の許可申請も可能である等前後関係に特段の制約はないが、これらの手続は一連のものであり、関係建設業者が相互に協調しつつ、許可行政庁と十分に打ち合わせて、整然と手続が進められるよう、これらの関係建設業者を指導する。

(4)消滅会社に係る施工中の建設工事の取扱い
消滅会社が施工中の建設工事で合併期日までに完成しないものの取扱いについては、一般的には注文者と消滅会社の請負契約の中で処理されることとなる(公共工事については公共工事標準請負契約約款第5条参照)ので、当該工事の取扱いについては、合併前から注文者と十分
協議するよう関係建設業者を指導する。なお、建設業の許可に関しては、消滅会社に係る許可が取り消された場合において、新会社は合併登記前においても許可を取り消された者の法第29条の3第1項に規定する一般承継人に該当するものと解して差し支えなく、この場合、新会社は、(2)①に掲げる許可を受けるまでの間は、同項の規定により工事を施工することとなる。

 

5.建設業の譲渡に係る建設業許可関係事務の取扱いについて

(1)建設業の許可申請の取扱い
建設業の譲渡に係る建設業許可申請の取扱いについては、建設業の譲渡を行う者(以下「譲渡人」という。)から建設業の譲渡を受ける者(以下「譲受人」という。)への建設業の移行の円滑化を図るため、次に掲げる事項に留意するものとする。
① 許可申請の速やかな処理
建設業の譲渡に伴い譲受人から建設業の許可の申請があったときは、当該建設業の譲受人への移行を円滑に進め、事業の空白をなるべく生じさせないという観点から、可及的速やかに処理する。
なお、建設業の譲渡に伴い譲渡人の建設業の許可を取り消す必要がある場合、譲受人に対する同種の許可は、譲渡人の建設業の許可の取消し前においてもできるものであることに留意する。
② 事前打ち合わせの実施
①の許可申請に係る審査を円滑に実施するため、建設業の譲渡により許可申請が必要になると見込まれる場合には、なるべく早く申し出、事前打ち合わせを行うよう建設業者を指導する。
③ その他の留意事項
建設業の譲渡に当たり事業の内容に変更事項が多数ある場合には審査に相応の期間が必要であり、①に掲げる取扱いは建設業の譲渡に伴う許可申請についての行政手続法第6条の標準処理期間をその他の許可申請に比べて短縮する趣旨ではない。

(2)譲渡人が施工中の建設工事の取扱い
① 注文者との事前協議
譲渡人が施工中の建設工事で譲渡がなされる日までに完成しないものの取扱いについては、一般的には注文者と譲受人の請負契約の中で処理されることとなる(公共工事については公共工事標準請負契約約款第5条参照)ので、当該工事の取扱いについては、譲渡前から注文者と十分協議するよう関係建設業者を指導する。
② 法第29条の3第1項の適用に当たっての注意事項
建設業の譲渡に伴い譲渡人の建設業の許可が取り消された場合で、かつ、当該取り消された建設業の許可業種に係る譲渡人の請負契約上の債権債務が包括的に譲受人に引き継がれる場合には、当該建設業の許可業種に関する限り、譲受人を法第29条の3第1項に規定する一般承継人に該当するものとして解して差し支えなく、この場合、譲受人は(1)①に掲げる許可を受けるまでの間は、同項の規定により工事を施工することとなる。

 

6.建設業の会社分割に係る建設業許可関係事務の取扱いについて

(1)建設業の許可申請の取扱い
① 許可手続を行う時期
分割会社(会社分割(以下「分割」という。)をする会社をいう。以下同じ。)が分割以前に受けていた建設業の許可については、その分割により当然継承されるものではなく、(a)吸収分割においては、承継会社(吸収分割によって建設業を承継する会社をいう。以下同じ。)が許可を受けておらず分割会社のみが許可を受けていた業種について、(b)新設分割においては、新設会社(新設分割によって設立される会社をいう。以下6.において同じ。)は、許可を受けようとするすべての業種について、それぞれ新たに許可を受けることが必要となるものである。
また、吸収分割の場合、承継会社が一般建設業の許可を受けている業種について、特定建設業の許可を受けなければならない場合もあり得る。これらの分割に係る建設業の許可申請の取扱いについては、当該申請に係る建設業の新会社(分割後の分割会社、承継会社及び新設会社をいう。以下6.において同じ。)への移行の円滑化を図るため、次に掲げる事項に留意するものとする。
(a)吸収分割の場合
分割をなすべき時期(以下「分割期日」という。)以後、承継会社より、これらの許可の要件を満たしている場合において、これらの許可の申請があったときは、分割会社に係る同種の許可の取消し前においても承継会社に許可をすることができるものであり、分割会社から承継会社への移行を円滑に進め、事業の空白をなるべく生じさせないという観点から、可及的速やかに処理する。
なお、承継会社の既に受けている許可の更新と併せて【第3条関係】4.でいう同一業者に係る二以上の許可の有効期間の調整(一本化)ができることに留意する。
(b)新設分割の場合
新設分割の場合においては、法律上、分割の効果が生じ新設会社が設立されるのは分割登記時であるので、分割登記後に新設会社に必要な許可申請を行わせ、可及的速やかに処理する。
② 手続における配慮
審査の円滑な実施のため、分割により許可申請が必要となると見込まれる場合には、なるべく早く申し出、関係書類を整え、事前打ち合わせを行うよう、建設業者を指導する。
③ その他の留意事項
分割に当たって事業の内容に変分割に当たって事業の内容に変更事項が多数ある場合には審査に相応の期間が必要であり、①に掲げる取扱いは分割に伴う許可申請についての行政手続法第6条の標準処理期間をその他の許可申請に比べて短縮する趣旨ではない。

(2)分割会社に係る施工中の建設工事の取扱い
分割会社が施工中の建設工事で分割期日までに完成しないものの取扱いについては、一般的には注文者と分割会社の請負契約の中で処理されることとなる(公共工事については公共工事標準請負契約約款第5条参照)ので、当該工事の取扱いについては、分割前から注文者と十分協議するよう関係建設業者を指導する。
なお、建設業の許可に関しては、分割会社に係る許可が取り消された場合において、承継会社又は新設会社は分割登記前においても許可を取り消された者の法第29条の3第1項に規定する一般承継人に該当するものと解して差し支えなく、この場合、承継会社又は新設会社は、(1)①に掲げる許可を受けるまでの間は、同項の規定により工事を施工することとなる。