相続相談と「友人案件」を引き受けない理由

相続問題は、家族や親族の間で起こる繊細なテーマであり、その手続きや法的な判断には、冷静かつ中立的なアプローチが欠かせません。私は行政書士として、日頃から多くの相続相談をお受けしていますが、「親しい友人」のご依頼はお断りさせていただいております。

 

一見すると「なぜ友人の頼みを断るのか?」と不思議に思われるかもしれません。しかし、この方針には、依頼者である皆さまにとってより良い結果を追求するための理由が存在します。

1.中立的な視点を確保するため

相続手続きでは、法律面だけでなく、人間関係や感情的な側面が大きく影響します。ときには厳しい助言や冷静な判断を提示しなければならず、その際に「友人」という立場があると、どうしても客観性を損ないかねません。中立的な第三者として、全ての問題に真正面から取り組むためには、距離感が重要です。

 

2.適正報酬による公正なサービス提供のため

専門家としての報酬は、依頼された業務の複雑さや責任に見合う「適正な対価」でなければなりません。しかし、友人関係があると「値下げしてほしい」というお願いが発生しやすく、適正価格を維持しにくくなります。こうした状況は、結果的にサービスの質や公正さを損なう可能性があるため、避けるべきと考えています。

 

3.万が一のトラブル回避のため

相続案件はときに紛争に発展することもあります。その際、友人関係が当事者に混在していると、依頼者と専門家の距離が曖昧になり、問題解決が複雑化しやすくなります。さらに、結果として友人関係そのものにヒビが入ってしまうリスクも無視できません。人間関係を健全なまま保つためにも、あらかじめ一定の線を引いておくことは大切です。

 

信頼できる他の専門家のご紹介について

大切なお知り合いから相続相談をいただくこと自体は、大変光栄であり有り難いことです。しかし、上記の理由から、私は友人のご依頼には直接対応せず、信頼できる他の専門家をご紹介する方針を取っています。これによって、より公正・中立な立場で問題を解決でき、依頼者の方にとっても、本当に納得のいく結果にたどり着きやすくなると考えています。

 

おわりに

相続相談は、「誰に依頼するか」という点が結果を大きく左右します。私は常に、依頼者の皆さまが最良の選択肢を得られるよう、適正な距離と報酬、そして公平な対応を心掛けています。友人であっても、その方が本当に満足できる方法を選んでほしいからこそ、あえて「直接お引き受けしない」という決断をしています。

どうぞ、この方針についてご理解をいただければ幸いです。今後も、専門家としての立場と責任をしっかりと果たし、より良い相続サポートをご提供できるよう努めてまいります。

 

 


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木下賢一

相続手続き専門の行政書士

20年の実績で預貯金名義変更や遺産分割協議書作成をサポート。ご相談ください!

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