日本政策金融公庫の政策性の発援

セーフティネット機能の発揮

日本政策金融公庫は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業者に対し、全国に特別相談窓口を設置するとともに、感染症特別貸付や無利子無担保ローンの返済猶予など、柔軟な対応で資金繰りを支援しています。令和4年度のセーフティネット貸付実績は9,559件となっています。

災害復興支援

日本政策金融公庫は、自然災害で被害を受けた中小企業者に対し、特別相談窓口の開設や災害復旧貸付の実施などにより、事業の復旧・再開を支援しております。過去の主な災害では、東日本大震災で26,379件・1兆7,874億円、熊本地震で913件・515億円の貸付実績があります。

新たな事業への取組み支援

日本政策金融公庫は、成長性の高い新事業やスタートアップを支援するため、新事業育成資金やスタートアップ支援資金といった特別貸付を行っています。令和4年度のこれらの実績は825件・432億円となっております。全国に新事業・スタートアップ推進担当を設置し、地域の支援にも力を入れています。

海外展開企業への支援

日本政策金融公庫は、海外展開企業に対し、現地法人への直接融資であるクロスボーダーローンやスタンドバイ・クレジット制度など多様な支援策を実施しています。令和4年度の海外展開・事業再編資金の実績は434件・405億円、スタンドバイ・クレジット発行実績は82件となっています。

事業再生に向けた取組み支援

日本政策金融公庫は、事業再生に取り組む中小企業者を支援するため、企業再生貸付やシンジケートローン特別貸付といった制度を設けています。令和4年度の企業再生貸付実績は349件・380億円、シンジケートローン特別貸付実績は52社・121億円となっています。

事業承継への取組み支援

日本政策金融公庫は、後継者不在企業のM&Aなど事業承継に取り組む中小企業者を支援するため、事業承継・集約・活性化支援資金を設けています。情報面でも事業承継診断や計画策定支援などを行っています。

不動産担保や保証人に依存しない融資

日本政策金融公庫は、中小企業者の資金需要に対応するため、不動産担保に依存しない融資や保証人不要の資本性ローンなど、柔軟な融資条件を設定しています。令和4年度の保証人不要割合は97.4%と高水準を維持しています。

証券化支援

日本政策金融公庫は、中小企業者に対する無担保資金の円滑な供給を支援するため、民間金融機関等が行う貸付債権の証券化を支援しています。令和4年度の証券化による中小企業者への資金供給支援実績は410億円となっています。

まとめ

日本政策金融公庫は、セーフティネット機能の発揮や成長分野への支援など、政策目的の高い分野での融資や事業支援を通じ、中小企業者を多角的に支えていることがわかります。柔軟な対応力と民間金融機関等との連携が強みです。